2023年7~8月 中国湖南省の旅行 - テーマ3. 身分証問題

のっけから問題扱いしてますが、正直言って出発前はこの問題について認識していませんでした。
支払い方法ほどクリティカルな問題ではないですがチマチマと旅行者の行動を妨害してきます。

身分証問題とは

ある一定の行為をするには身元の証明が必要になるみたいです。
日本だと「本人確認」ですかね。
中国では「実名制」とか「実名認証」とか言うようです。
この場面において中国人の皆さんは多くの場合、「身份証」を使っていらっしゃいます。
(「分」に人偏がついてますが身分証だと思って大丈夫です)
この時外国人ならパスポートがその代わりになります。

ここで私が言いたい身分証問題とは、「パスポートを使った身元確認」ができないために目的を達せられないことを指します。
これは外国人の存在を想定していない、外国人観光客受け入れ体制ができていないといっても過言ではありません。
(まあその点では日本も負けてないかもしれないが・・・)

感覚的には日本よりも身元証明が必要な場面が多いです。
というより以前より多くなったと思います。
例えばホテルに泊まる・SIMカードを買うといった行為にはパスポートが必要ですが、これは以前からそうなので特に問題なくスムーズに手続きできます。
今回スムーズでない、不便だと感じたのは主に鉄道(地下鉄は除く)・都市間バス・観光地の切符購入および乗車・入場といった場面です。

食事や買い物程度ではさすがに身元確認までは要求されません。

切符の購入

まずは切符を買うべく切符売り場に向かうとします。
切符の購入には主に3つの手段があります。
必ずしも3つ全部用意されているわけではなく、場所によってあったりなかったりです。

・券売機

・アプリ・ミニプログラム

・有人窓口

券売機

券売機がある場合、訪れる人の数に対して十分な台数が設置されており、券売機に人が並んでいることはほとんどありませんでした。

鉄道やバスの切符であれば行き先・日時など、観光地であれば切符の種類や日時などを指定します。

そして支払い処理の前に身元確認のステップがあります。

 

1. 証明書の種類を選択

「身份証」とか「居民身份証」は中国人の身分証を指しているので外国人は使えません。
パスポートは「護照」なので我々外国人は「護照」を選択します。

ここで問題なのが、そもそも「護照」の選択肢がない場合が多いことです。
さらに「護照」も中国のパスポートしか受け付けない場合もあります。無念。
そうなれば、そこから先へ進むことはできず、券売機での購入は不可となります。
試しに「身份証」を選んでパスポート番号を入力してみたこともありますがダメでした。

ちなみに他の証明書としては「港澳居民来往内地通行証」「台湾居民来往大陸通行証」「外国人永久居留身份証」などがあるようです。
まあ日本人観光客には関係ないです。

 

2. 証明書の番号を入力

パスポート番号を入力します。
有効期限の入力が必要な場合もあります。

 

運良くここまで進めることができれば、微信や支付宝で払います。
そもそも微信や支付宝の支払い機能を設定する時も身元確認がされたはずですが、それとは別の話かと思われます。
「入場・乗車する人」と「切符の代金を払う人」が別でもよさそうです。

ちなみに券売機といっても基本的には電子な券(eチケット)です。
入場・乗車する人の身元と購入された切符情報がシステム上に登録されて完了です。
スマホに入場用のQRコードが表示される場合もあります。

アプリ・ミニプログラム

券売機とは別に、壁や立て看板に「切符はミニプログラムからでも購入できます」などと案内がありその隣にQRコード・小程序碼が表示されていることがあります。

それをスキャンすると切符購入ミニプログラムが起動します。
起動したらその後の手順はほぼ券売機と同じです。

懐化総合枢紐バスターミナルの切符売り場。中央の柱にミニプログラムへのQRコードが、左右奥に(割とコンパクトな)券売機が設置されている

券売機で「護照」の選択肢がなくても、ミニプログラムなら選択できる場合もあるので、あきらめない精神が大事です。

券売機との大きな違いは、もしそのミニプログラムを事前に知っていれば、あらかじめ(ホテルなどで)買っておくことができる点でしょうか。

ミニプログラムでなく独立した一つのアプリの場合もあります。

有人窓口

上記どちらもダメなら、おとなしく有人窓口に並ぶしかないです。

有人窓口では、パスポートを渡すと窓口の人がパスポート情報をシステムに手入力します。
なぜかパスポート自体不要のこともあります。
観光地では不要なことが多い気がします。
電話番号を聞かれることもあります。
人によっては外国人を対応したことがなく上司?に電話で聞いたりいろいろイチャモンをつけてくることもあります。

支払いは普通に微信や支付宝が使えます。
支払いが完了すると紙の切符が渡されます。ここにQRコードが印刷されています。

また、この有人窓口自体、そもそも設置されてないこともあります。
その場合は周囲に係員がいないか探してみるか、とりあえず改札(入場口)まで行ってみるということになります。

入場

自動改札機

自動改札機を通る方法は大きく分けて2通りあります。

QRコードをスキャン

切符を買った時にミニプログラム内や紙の切符に表示されるQRコードを改札機のスキャン装置に読み取らせると改札ゲートが開いて通れます。

これはほぼ問題なく通過できます。

身分証やパスポートをスキャン

中国の身分証はNFC機能が付いているようで、読み取り装置にタッチします。
パスポートの場合は身分事項記載ページを開いてスキャナーに読み込ませます。
いずれの場合も、装置がサーバー上の購入情報と照合して認証成功すれば通れます。
が・・・装置がパスポートのスキャンに対応していないことも多く、対応していてもうまく読み取ってくれないことが多いです。実に多いです。

そうすると有人改札へ行くことになります。

有人改札

パスポート・紙のチケット・スマホ上の購入情報などを提示して通してもらいます。

困るのは有人改札がない時です。
ひどい場合は有人の切符販売窓口も有人改札もないです。
しかしさすがに施設内に職員が一人もいないなんてことは考えられないので誰か探してつかまえます。
ただ一般客と見分けがつきにくいのが難点。
改札の向こうの方にいそうなら叫んでみたりします。