2023年7~8月 中国湖南省の旅行 - シーン2. 市内の移動

市内の移動手段について、主に私の見たことを書きます。

地下鉄

大きな町には地下鉄があります。
今回私が行った中では広州と長沙で地下鉄がありました(香港は除く)。

地下鉄は、乗車方法がわかりやすい、支払い手段が豊富に用意されている、身分証問題がない、最初から最後まで会話する必要がない、など外国人にも非常にやさしくできています。
かつ安いです(2~5元)。

乗車方法

荷物検査がありますが、券売機が荷物検査を通る前にある場合と通った後にある場合があったので、検査を通る前にキョロキョロした方がいいです。

改札はカードなどをタッチする部分(いわゆるNFC)と、QRコードを読み取る部分とがあるのが典型的パターンです。

改札機の例。上のまるい部分がタッチ部、下の四角いのがQRコード読み取り部
タッチで通る

Suicaと同じような感覚です。
タッチするのはプリペイドカードか、単程票と呼ばれる一回きりの切符です。

単程票はコインみたいな形をしており券売機で買えます。
身分証・パスポートは必要ありません。
支払い方法は微信・支付宝に加え銀聯・現金もOKです。
TourCardが使える数少ない場面です。
至れり尽くせりです。

プリペイドカードも券売機で買えたかも?(ちゃんと見てない)

下車時は、出口側の改札にはコイン投入口みたいなところがあるので、そこに単程票を入れます。

プリペイドカードならタッチするだけでいいはず。

QRコードで通る

QRコードといっても、微信や支付宝で支払いに使うQRコードは使えません。
地下鉄乗車用QRコードが必要です。

微信の地下鉄乗車ミニプログラム、支付宝の「Transport」か、もしくは専用のアプリから使えます。

これは都市によって違うようです。
例えば広州なら微信・支付宝でできますが、長沙では微信・支付宝は対応しておらず専用のアプリが必要でした。

微信のミニプログラムは例えば【广州 地铁】などと入力して自力で探し出すか、駅にあるミニプログラム案内ボードからQRコードを読み込んで起動します。
専用のアプリについては、個人的にはわざわざインストールするくらいなら券売機に行った方がいい気がします。

ということで長沙でのアプリは試していません。

広州では微信のみ試しました。
ミニプログラムを操作してQRコードを出したら改札機に読み込ませます。
するとゲートが開いて通れます。
降りる時はまたQRコードを出します。
この時のQRコードは乗った時に出したコードとは違うものになっているはずですが、それを改札機に読み込ませれば通れます。
乗った時のQRコードをキャプチャして取っておく必要はありません。
料金は乗車した区間分、勝手に微信から支払われます。

支付宝でも同様にしてできるとは思うのですが、バスで起こった問題(下記)と同じことが発生するかもしれません。

バス

地下鉄は便利ですが、地下鉄のある町はかなり限られています。

地下鉄がない場合、もしくは行きたい場所の近くまで地下鉄が通っていない場合、次の選択肢はバスということになるでしょう。
バスなら村レベルの田舎でない限りあるはずです。

地下鉄ほどではないですが外国人にもやさしいです。

乗る路線を決める

目的地が決まっている場合、百度地図でルートを調べることができます。
出発地と目的地を指定すると目的地へ至るルートをいくつか提示されます。
一つ選ぶとバス停までの道のりや乗るべきバスの路線番号など必要な情報が表示されるのでそれに従ってバス停に向かいます。
場合によっては直近のバスが今どの辺を走っていてあと何分くらいでバス停に来るかまで出てきます。
便利です。
日本だとナビタイムがこれに近いですかね。

ルート検索例(ブラウザ版)。緑が徒歩、青がバス

高徳地図でも同様のことができるようです。

昔はもちろん地図アプリなんてありませんでした。
紙の地図を入手して、ホテルで地図とにらめっこして乗る路線を決めたものです。

待つ

バス停でバスを待ちましょう。
バスは路線番号がハッキリ表示されているので、目当てのバスが来たら乗り込みます。

乗る

基本的にどこまで乗っても一律2元です。

バスに乗ると3つの選択肢が用意されています。

地下鉄の改札でもあった「タッチ部」「QRコード読み取り部」に加えて「現金投入口」です。

(都市によって他のパターンもあるかもしれません)

ちょっと見にくいが右側透明の箱が現金投入口、その左の装置の上側がタッチ部、下側がQRコード読み取り部、中央は画面表示

昔は運転手さんとは別に車掌さん?がいて乗客から料金を回収して回っていましたが、今はいません。

タッチ

やはりSuicaのようなカードをタッチします。
地元民の皆様はこの方式で乗っている方が多かったです。
確かにQRコードよりも早く、簡単です。
日本でも時々見ますが、カバンの中にカードを入れてカバンごとタッチしている人もいました。

カードの入手方法はわかりません。
バスの運営も地域ごとのはずですが、【一卡通】などといって提携して全国共通で使えるようです。

QRコード

地下鉄同様、微信や支付宝の支払い用QRコードではなく、バス乗車用QRコードでなくてはいけません。

微信ならミニプログラム「乗車碼」、支付宝なら「Transport」からQRコードを表示させ、読み取り部にかざします。
読み取りが成功すると【扫码成功】と表示が出て、音声も流れます。
運転手さんはその音声を聞いて「この人はOK」と判断します。

料金はその後微信・支付宝から勝手に支払われるのですが、ここで問題が起きました。

微信は問題なく支払いされたのですが、支付宝はクレジットカードからは支払いできないようです。
次回バスに乗る時にQRコードを出そうとすると、「前回乗車分の支払いが済んでいないので乗れません」的なメッセージが出ます。
で支払い画面に進むのですが、クレジットカードは対応していないため選べない。
そして外国人はクレジットカードしか手段がない。
マジか・・・これ詰んでない?
一瞬、2元の借金が払えず党の刺客に追われる自分の姿が浮かびました。

結局2元の借金は、その時連日足を運んでいたビールバーで、ちょっと仲良くなった中国人に送金してもらい無事返済しました。
送金してもらうとそのお金が支付宝のウォレットに入り、そこから支払いできたというわけです。
これは必ずしも酔っ払い相手でなくても、ホテルのフロントの人とかでも全然協力してくれたと思います。

現金

1元札でも1元玉でもいいですが、お釣りのないように出しましょう。

ちなみに当初私はQRコードの乗り方がわからなかったので現金で乗っていたのですが、何度も乗っているうちに日本から持ってきた1元札・1元玉がみるみる減っていきました。
銀行に行って1元玉を大量入手しました(1元札はないと言われた)。

降りる

実はこれがよくわからないんですよね。

日本のような「降りる」ボタンがないです。
じゃあ全バス停に止まってくれるかというとそうでもない(もちろんバス停で待っている人がいれば止まります)。
降りたい人が運転手に「次降ります」と伝えているかというとそうでもない(言ってる人もたまにいる)。

私は、バスが止まらず通り過ぎそうなら「降ります!」と叫ぶつもりでいましたが、幸いどの場合も止まってくれました。

降りるそぶりを運転手が察知しているのでしょうか?
プロならそのくらいは朝飯前かもしれませんが。

昔はどうだったっけなあ?忘れちゃったなあ。

タクシー

タクシーは少々ハードルが上がると思われます。
私は今回は使いませんでした。

現在タクシーも滴滴出行などアプリ化されており、聞くところによると、タクシーを呼ぶと電話がかかってきて自分の居場所を説明しないといけないケースがしばしばあるといいます。
電話は中国語力がハッキリ試されるので厳しい戦いが予想されます(自分の場合は)。

流しのタクシーらしきものに乗っている人も見ましたが、アプリ予約したタクシーにごく自然な所作で乗っていただけかもしれません。

次に、タクシーは支払いでトラブると困る気がしました。
買い物で支払いがうまくいかなければ物を受け取らなければいいだけの話、レストランで支払いがうまくいかなければ吐けばいい・・・とは言いませんが回りに人もたくさんいるのでなんとかなるでしょう。
しかしタクシーで支払いできないとなると結構詰むのではないかと思いました。

また、今はないかもしれませんが以前はボッタクリタクシーや強盗タクシーもありました。
中国は監視が行き届いており治安面では極めて安全な国ですが、個人的にはタクシーはやや不安が残ります。

シェアバイク

中国ではいつの間にか電動バイクが広く普及しており、かつて中国で猛威をふるったシェア自転車も、電動バイクに置き換わったようです。

自分は乗っていませんが、よんじーの中国ライフさんがトライされています。
とても楽しそうです。

ちなみにこの電動バイク、歩道も走るので歩行者からするとちょっと怖いです。
音もしないし。