中国のホテルはこれといって中国特有の事情もなく、基本的には特に問題ないと思います。
・・・のはずだったのですが、実は旅行中一つ問題があったので、これから中国旅行をする方への注意喚起のためにも書きます。
予約
観光ビザ申請の条件として旅程のすべてのホテルを予約する必要がありました。
予約にはTrip.comを使いましたが、agodaでも何でもいいと思います。
どこも一緒じゃないですかね。
クレジットカードが使えるので支払いに悩むことはないです。
一泊2500-4000円のホテルを選びました。
地下鉄のある町では駅近のホテルを選びました。
チェックイン
チェックイン手続きでは必ずビザを確認しているように見えました。
まあビザ申請時の旅程を守っていれば期限切れになることはありえないので、心配する必要はないでしょう。
問題 - 外国人が泊まれない?
ではその問題に入りましょう。
ドキュメント風に書いていきます(日記ともいう)。
事例1. 黔城
顛末
その日は移動日で、朝早く起き、張家界からバスと高鉄を乗り継ぎ250kmほど南の大都市、懐化までやってきました。
そこからまたバスに乗って1時間、懐化郊外の黔城という小さな町に着きました。
この黔城にA酒店(仮名)を予約してあります。
ここから歩いて行くには遠いので、市内バスに乗ることにします。
バス停を降りるとすぐ目の前にA酒店がありました。
「こんにちは。予約してますよ〜よろしく」とパスポートをフロントのお姉さんに渡します。
しかしお姉さんはパスポートを開くと「え・・・外国人・・・?」と何やら怪しげな反応。
おもむろに電話し始め、誰かと相談しているようです。
電話を終えると「すみませんが、外国人は泊まることができません」
ナニ〜いやいやもう予約してるんですよ、とTrip.comの画面を見せます。
ほらホテルの説明には、どの国の人も泊まれると書いてありますよ?
「そう言われてもだめなものはだめです」
うーむ、まー泊めちゃいけないものを泊めてしまったことが発覚すれば罰せられるだろうから、そこは譲れないだろうな。
何てこった、困ったぞ。
すると「懐化なら泊まれます。懐化に行ったらいかがですか」とのこと。
それはこの町のホテルには泊まれないってことか。
その懐化からわざわざ来たところなんですけどね・・・
朝から移動してきたのでいい加減疲れてます。
どうする?懐化に戻るか?
しばし悩んでいると、「このホテルであれば、もしかしたら外国人も泊まれるかもしれません」と市内の別のB大酒店(仮名)を紹介してくれました。
これはどうもありがとうございます。
よし、じゃあとにかくそこに行ってみよう。それでダメなら懐化に戻ろう。
とりあえずTrip.comでA酒店をキャンセルします。
幸いキャンセル料はかからなかったです(当日なのに)。
続いて地図でB大酒店の場所を調べます。
またバスを使った方がよさそうです。
さっきとは違う路線のバスに乗り、少し歩くとその場所に着きました。
果たして、おそらく町一番ではないかというような立派なホテルがそこには君臨していました。
入ると、フロントロビーの広さはA酒店の100倍くらいありそうです。
「こんにちは。あのー予約してないんですけど、部屋空いてますか?」
「いらっしゃいませ。はい、空いてますよ!」ニコやかなお姉さん。
「そうですか!それでえーと、ボク外国人なんですけど、泊まれますかね?」
「え・・・」顔が曇るお姉さん。
ぐ・・・ダメか・・・。
「申し訳ありません。外国人の方はお泊めすることができません」
今度はボスに電話することもなく即答されました。
ここで、もうちょっとちゃんと説明してくれたと思うのですが、「この町では外国人はホテルに泊まれないことになっている」のか「この町には外国人が泊まれる認可を受けたホテルは一軒もない」のかはリスニング力が足りず分かりませんでした。
「懐化なら泊まれます。懐化に行ったらいかがですか」さっきと同じことを言われます。
うん、こんな立派なホテルでも泊まれないのならもうこの町では無理だ。完全に諦めがついた。
(もっとも泊まれたら泊まれたでいったいおいくらするんでしょ)
さて戻るとなると懐化までバスで1時間かかります。
さらに、ここからバスターミナルへの移動やバスの待ち時間、懐化に着いてからホテルへの移動も合わせると3時間くらいはかかるでしょう。
そこで広大なロビーで休憩しつつ、Trip.comを開き懐化のホテルを適当に探して先に予約しておきます。
そして今日来たルートを逆走して懐化に戻り、新しく予約したホテルに着いた時には夕方6時になっていました。
そのホテルはちゃんとチェックインできました。
しかしこのホテル、外に看板などの表示が一切なく、実にわかりにくい場所にあったのですが、まあそれはいいや。
予兆
後から考えると、予約の時点で実は予兆がありました。
Trip.comで検索すると、黔城のホテルは1軒(つまりA酒店)しか出てこないのです。
(ホテル名が特定できますね)
百度地図で見れば少なくとも10~20軒くらいはありそうなのに。
なのでA酒店だけ何かの手違いでシステム上に乗っかってしまったのだと思われます。
黔城について
結局なぜ泊まれないのか、軽く調べてみましたが分かりませんでした。
この黔城という町は、湖南省懐化市洪江市黔城鎮で、洪江市の市政府所在地です。
つまり県級市の中心地です。
地区級市である懐化市の中心部に比べればかなり小ぢんまりした町ですが、決してド田舎ではないです。
(懐化市の中心部=懐化市鶴城区は人口71万人、黔城鎮は8万7千人)
過去の旅行でも県級市のホテルには普通に泊まれました。
なお黔城のホテルのお姉さんは懐化に行けとか言ってますが、上記の通り黔城も懐化市の一部です。
ここでいう懐化は懐化中心部ってことですね。
中国ではよくこういう言い方するようです。
ビザ申請時もA酒店の予約表を提出しています。
結果としてビザ申請時と違うホテルに泊まることになりました。
いったい何のためにホテルの情報まで出させているのか。
審査官ちゃんと確認しろや!
まあそれが理由でビザ却下されても困るので、許してあげましょう。
事例2 - 岳陽
次に向かったのは岳陽です。
岳陽に向かう高鉄の中で、予約したホテルの情報を確認していると、
ああっ!外国人は泊まれないことになってるー!
やってしまった・・・。
しかしホテルに着いてしれっとパスポートを出すと、
「あらアナタ日本人、旅行で来たの?ふーん。あ、デポジット100元ね」
何の問題もなく泊まれました。
懐化・岳陽とも長沙ほどではないが巨大な町です。
やはり大きい町なら問題ないと思われます。