2023年7~8月 中国湖南省の旅行 - テーマ1. 支払い方法

中国旅行を考える外国人の前に立ちはだかる厚く高い壁、支払い方法。
これについては私も出発前は総力を挙げて調べたのですがなかなかその実態はイメージできません。
とにかく、なるべく万全を期すため複数手段を用意すべきと考え、微信・支付宝・TourCard・現金の4段構えで臨みました。
実際に使ってみた感想を書いていきたいと思います。
使えるかどうかは人によって、というかおそらくカードによって、けっこう違ってくるのではないかと思います。

微信

銀行カード(銀行口座)を登録しておき、支払いの際は登録した銀行口座から直接引き落とされる(デビットカード的に)、もしくは、登録した銀行口座からアプリ内のウォレットにあらかじめチャージしておいてその残高から引かれるという風になっているようです。

この銀行カードは、中国国内の銀行しか利用できなかったみたいなのですが、2023年7月から、クレジットカードを使えるようになりました(騰訊の発表)。

ただ「クレジットカードで支払い」はできましたが「クレジットカードからウォレットにチャージ」はできませんでした。

設定方法

設定方法は解説していただいている方々がいらっしゃいますのでこちらをどうぞ。

niurouのブログさん

中華ライフハックさん

姉御の一人旅ガイドさん

自分の場合は、三井住友VISAと楽天American Expressを設定しました。
日本で設定していきました。

使用方法

上記ブログでもかなり詳しく解説してくださっていますが・・・。

相手側を認識・接続するのにQRコードを使用します。
方法としては大きく

1. アプリで自分のQRコードを表示させそれを相手にスキャンしてもらう
2. 相手のQRコードを自分のアプリでスキャンする

の二つがあります。
相手(店)によって1のみ可、2のみ可、両対応に分かれます。
私の経験では「2のみ可」のケースが圧倒的に多かったです。

使用方法1

店が金額などを入力してスキャナーの準備

客がアプリを操作し、自分のQRコードを表示させる

カードを複数登録していた場合、どのカードから払うか毎回選べます。

店が客のQRコードをスキャン

店と客が接続される

客がアプリ内で金額を確認してOK

 

このケースでは、スキャンはスマホではなく専用のスキャナーを使っていました。

使用方法2

客が店主(店員)に値段を確認

客が微信のスキャン機能で店のQRコードを読み取る

店のQRコードは店員がわざわざスマホを操作して表示させるということはなくパネル状・カード状のものがデンと置いてあります。

客側のアプリが店を認識し、支払い画面に切り替わる

客が値段を入力

客が暗証番号を入力(毎回必要)

自分で設定した6桁の番号です

支払い処理完了

店側が入金を確認

これは当然画面上でも確認できるはずですが、大抵の場合、「ただいまXX元、入金されましたー!」みたいな音声が店側のスマホ?から大音量で流れます。

 

このように使用方法2の方が、ほとんど全ての操作を客側ですることになり、店側としては楽です。
全く手を動かす必要がないです。
目も動かす必要がないです。
耳だけ聞いていればOKです。

屋台とかだと、使用方法2でなければとてもじゃないがやってられないと思います。

支払い失敗事例1

どうもアプリが最新になっていないとクレジットカードからの支払いができないようです。
ということは、メーカー(騰訊)がアップデートを配信した後そのアップデートを入れておかないと自然と「最新でない」状態になり今まで使えていたものが突如使えなくなります。

アップデート方法が2種類あり、「最新じゃないから使えません」的画面からたどる方法と、「自分」→「設定」からたどる方法があります。
どちらかでアップデートが失敗してももう片方でやるとうまくいったりしました。

ちなみに下記支付宝のところで書いている不正利用検知で引っかかることは一度もありませんでした。
ただこれはカードによるかと思います。

支払い失敗事例2

原因はわからないのですが、支払いできません的なメッセージが出ます。

金額の大小ではない気がします。
2元の買い物でもダメなときはダメでした。

相手にはよるかもしれません。
小さい店とかだと払う相手が店(会社)ではなく個人の場合が結構あります。
ただ個人なら必ずダメかというと全くそんなことはないです。

しかも旅行序盤でしばしば発生しましたが、後半になると全く発生しませんでした。
「次失敗したら画面キャプチャしておこう」と思った後は一度も発生しませんでした。

要はよくわからん(すいません)。

支付宝

仕組みは微信とほぼ同じです。
こちらも2023年初頭あたりからクレジットカードを使えるようになったようです。

設定方法

微信とほぼ同じ方々ですがどうぞ。

niurouのブログさん

よんじーの中国ライフさん

姉御の一人旅ガイドさん

中華ライフハックさん


自分の場合はAmexは登録できず、VISAのみ設定しました。

使用方法

これも微信とほぼ同じです。
違う点は暗証番号の代わりにCVVを入力するくらいです。

支払い失敗事例1

カード会社の不正利用検知に引っかかり使えないケースがありました。
これはカード会社からメールが来るので、その都度解除処理をしました。
旅行序盤でしばしば発生しましたが、後半は全く発生しませんでした。
何度も何度も解除したので、不正判断ハードルが上がったのでしょう。

不正利用検知は大事な機能なので、まあ仕方ないと思ってます。

支払い失敗事例2

微信同様、原因は分からないが使えないことがありました。
これも旅行序盤でしばしば発生しましたが、後半は全く発生しませんでした。
いったいどういうことなのか。

TourCard

TourPassの後継として2023年4月頃から導入された微信または支付宝内の機能(ミニプログラム/ミニアプリ)です。

上海銀行が外国人訪問者用に180日間限定TourCard専用口座を開設してくれます。

クレジットカードからこの口座に入金し、デビットカード的に使えます。感覚的にはウォレットですね。

銀聯の決済システムを使っているようですが、なぜか微信または支付宝のアプリ内から使うようになっています。謎です。

設定方法

・・・またまたこの方々に丸投げします。

中華ライフハックさん

姉御の一人旅ガイドさん

 

自分は支付宝で設定しました。

日本で4000元をチャージしていきました。

使用方法

使用方法も上記ブログで解説されています。
個人的に感じた微信・支付宝との決定的な違いは、「相手のQRコードを自分のアプリでスキャンする」機能がなく「アプリで自分のQRコードを表示させそれを相手にスキャンしてもらう」しかないことです。
ただ一応、自分でスキャンする機能もメニュー上にはあり、「間もなく登場」となっているので将来的には対応するつもりのようです。

支払い失敗事例

デビットカード方式のためか、支払いが失敗したことはありませんでした。

ただし成功失敗以前の問題として、使える場所が少ないです。

現金

努力むなしくスマホ決済が全てダメだった時はおずおずと「すいません・・・現金でいいですか?」ということになります。
最後の手段として最低限の現金は常に持ち歩いていました。

 

こちらは中国の方が投稿された動画ですが、外国人のつもりになって現金が使えるのか試してみたという内容です。

如果外国人来中国旅游不用支付宝(Alipay)只用现金,她的一天会是怎么样的|If you are visiting China with only cash......| Vlog - YouTube

動画自体もそうですがコメントがなかなか面白く興味深かったです。

現金の入手

昔は町の中国銀行に行って両替したものですが、現在では、いろいろ調べてみるとATMでクレジットカードでキャッシングするのが良いようです(速攻で返済できればなおよし)。
ただしDCC(Dynamic Currency Conversion)にだけは注意する必要があるようです。
これで1000元ほど入手しました。
もし足りなくなるようであればまたキャッシングして補充するつもりでした。

現金を使った事例

私が実際に現金を使ったケースを思い返してみます。
おそらくこれで全部だと思います。
振り返れば実際には使う必要がなくスマホ決済で対応できたものもあります。

地下鉄

1回だけ現金を使用しました。
中国入国直後で右も左も分かっていない時です。

中国国内SIMカード購入時

ネットにつながっていないので現金で払いました。
ローミングSIMはあらかじめ外していた)
ショップのフリーWiFiとかあればスマホ決済できたとは思いますが。

マッサージ屋

1回だけ現金を使用しました。

この時初めてQRコード決済で失敗しました。
支付宝でしたが、初の失敗に動揺して微信で試すということを思いつかなかった。
翌日同じ店に行きましたが微信で問題なく払えました。

市内バス

市内移動の項目に書きます。

バスターミナルの売店

1回だけ現金を使用しました。

黔城のバスターミナルの売店で水を買おうとしたところ、店のおばちゃんに「現金しか使えないよ」と言われて驚愕したのですが、たまたまシステムの不調か何かだったようです。

2日後に再訪したら普通に微信も支付宝も使えるようになってました。

クレジットカード(直接)

上記ではクレジットカードを微信・支付宝などに紐付けて使っているわけですが、直接使ったケースも一応書いておきます。

・航空券(航空会社のサイト)

・ホテル(旅行会社のサイト)

・高鉄(旅行会社のサイト)

これだけです。金額的には一番大きいですが。

現地でおもむろにカードを取り出して使えるようなケースは極めて限定されるのではないかと思います(高級ホテル・高級レストラン・高級土産店など)。
少なくとも自分が行動した範囲では到底使用不可能のように思われました。

総評

結局どれが一番使えるのか?

まず自分としてはTourCardメインで考えていました。
TourCardには事前に4000元もチャージしてしまっているので、とにかくTourCard最優先で使っていきました。
しかし・・・。
銀聯/雲閃付に対応していれば使えるのですが、微信と支付宝に比べて対応している店が少ない。とにかく少ない。本っ当に少ない。
さらに、銀聯/雲閃付に対応していても、TourCardは(私が旅行した時点では)「自分のコードを相手がスキャンする」パターンでしか使えずこれがまた少ない。

TourCard、使えない・・・。

「相手のコードを自分がスキャンする」機能が使えるようになれば少しはTourCardもマシになるでしょう。ほんの少しだけ。

 

ということで基本は微信か支付宝ということになります。
自分が行った範囲では両対応のところが多かったですが、微信のみの場合も時々ありました。
支付宝のみというのは見ませんでした。
なので微信優勢です。

典型的パターンは店のカウンターとか壁とかに微信と支付宝のQRコードが並んで置いてあり好きな方をスキャンするというものです。

微信(緑)と支付宝(青)のQRコードが並んでいる

各シーン特有の支払い事情はそちらに書いていきたいと思います。

支払い失敗対策

上に書いたように、微信も支付宝も原因不明の失敗がありました。
しかし微信と支付宝の両方に対応している店では、片方失敗してももう片方で試すとうまくいきました。
そして多くの店では両対応しています。
であれば対策の必要性自体あまりないです。
ただこれはあくまで私の場合はであって、おそらくカードによってケースバイケースであろうと思われます。

対策を講じるなら、失敗の理由は定かではないので何とも言えないのですが、基本的にはクレジットカードであることに起因すると思われます。
そうであれば、クレジットカードを回避することが対策になるのではと思います。

例えばこんな感じでしょうか。
・日本の中国銀行で口座を作る
・中国人の知人に現金等と交換で送金してもらう(=ウォレットにチャージ)
もしくは同じクレジットカードでも銀聯クレジットカードであればVISAやMasterよりは命中率が高まるような気がします。
日本で発行できる銀聯クレジットカードがいくつかあるようです。

データ

帰国してから集計しました。
記録が残るというのはいいことです。
ただ失敗は記録に残らないのでうろ覚えです。

TourCardが使えなかったら微信と支付宝をまんべんなく使っているつもりでしたが、やや支付宝が多いですね。

微信

支払い総額 : 1886.21元
支払い成功回数 : 44回
支払い失敗回数(原因不明) : 5回くらい?

支付宝

支払い総額 : 1400.04元
支払い成功回数 : 58回
支払い失敗回数(カード不正利用検知) : 4回
支払い失敗回数(原因不明) : 5回くらい?

TourCard

支払い総額 : 368元
支払い成功回数 : 22回
支払い失敗回数 : 0回

TourCardは回数だけ見れば結構使えてるという感じですが、うち10回は長沙の地下鉄です。
あと張家界では使える場面が多かったです(7回)。
張家界は超有名観光地で外国人も多く訪れるから対応率が高い・・・のかも?

おまけ